/ ラノベ / 憧れに手を伸ばせ / #4 ソシャゲ

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#4 ソシャゲ

last update 최신 업데이트: 2025-03-15 22:11:11

『転生ガチャは君と同じ境遇の子がちょいちょいいるからその子らがこっち来たときに使ってるんだよ。前世持ちの救済用ってところかな?なんだかよく分からないまま転生させられるとなると理不尽に感じるだろうからさ。』

 なるほど……。神様に勝手にクソ親の子供にされるより自分の運でクソ親になる方がまだマシだろうからな。まぁ両方クソで誤差みたいなもんだけども……。

『前世の記憶のせいで産まれた時から自我があると尚更ね!だからここで自ら引いて決めることで心の準備をしてもらうってのがこれの目的だよ。』

 心の準備か。ちょっと緊張してきたな。

『よし、着いた。それじゃあドンドン引いてって〜』

 しばらく歩いた先にあったのは日本でよく見るガチャガチャだった。バン〇イのアレである。それはさておき1つの疑問が私の中に生まれていた。

 そういえば神様のくせになんで移動で普通に歩いてんだろう……。

「そういえばなんで徒歩移動だったんですか?」

『わ、忘れちゃって(((ぼそっ』

 神ともあろうものが……忘れる?き、聞き間違いだよね?

「え?なんて?」

『ひ、久々に転生ガチャ使うからどこに仕舞っておいたか忘れちゃってさ。』

「え?冗談ですよね?だってアサナシア様は神様で……。だからどこに仕舞ったか忘れるなんてそんなミスするわけ……。しかもそれを神たる貴方様が誤魔化すために余計に歩いて時間稼ぎ!?」

『すんませんした。いや、でもだって使うのなんて250年振りだし……』

 まじかぁ……。この人まじかぁ……。

「アサナシア様の言い訳とか私、聞きたくないです。」

『はい……時間も押してるし引いちゃってください。』

「時間押してるの誰のせいだと……もういいですよ。で?前世のガチャと同じ感じで全部引けばいんですか?」

『ホントすんません。うん、全部引いちゃってもろて。』

「最初は〜これか、親ガチャ(母)?とりあえず引くか。」

『提供割合としてはこんな感じ』

 え?提供割合?聞き覚えある単語だなぁ。この先知りたくないなぁ。す~ごい嫌な予感するんだけど。やめてね?これ以上私の中の転生のイメージを壊さないd……

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こんなの……こんなの……

「ソシャゲじゃねぇーか!!」

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  • 憧れに手を伸ばせ   #0 原点

     当時はまだ幼稚園児だった私は、街頭ビジョンの中の彼らの輝きに心を奪われてしまった。恋焦がれてしまった。 ある者は圧倒的な歌唱力で他者の心を揺さぶった。ある者は七色の声を駆使してありとあらゆる魅力的なキャラを演じた。ある者は自らVTuberとしての身体を作成し数多くのVTuberの生みの親にもなった。 彼らはある種の劇物だった。まだ純粋で未熟な一人の少女の行く末を容易く狂わせてしまうほどの。彼女は天に手を伸ばし、止まることなく歩み続けた。 だが、過ぎたる望みはその身を亡ぼす。それでもかつて憧れ、好いた彼らが熱中するものを少しでも知るために彼女は進む。 好きな人の好きなものを知りたい。自分もそれを好きでいたい。そんな乙女心が彼女の原点なのかもしれない……。──────────────────────────────  私はいつかVTuberになることを夢見て、自らの人生の全てを推したちがしていた数多くのことを極めるためにプライベートを費やしてきた。楽器に作詞作曲、小説、ダンス、歌。数え切れないほど多くのことに挑戦し続けた。推し全員の真似をしたいっていうのはちょっと欲張りだったかなぁ……。いや、ファンたるものそのくらいの気概がないといけないよね! そんな自分の人生に後悔はない……と言ったら嘘になる。私はこれまでいろんなものを犠牲にしてきたから。好きな人と出会い、交際し結婚して子供を産み、夫婦で力を合わせて育て上げる。そんな人並みの幸せというものにも触れてこなかった。そんな幸せの中にはこの憧れを超える何かとの出会いはないにしても人として成長する機会があったかもしれない。表現の糧になったかもしれない。 でも、ここまで来れば後戻りは出来ない。そもそも死ぬ間際にこんなこと考えたってしょうがない。あとは来世までこの記憶を持ち越すのみ!魂に思いを刻め!この人生を無駄にしてなるものか。 文字通り人生を懸けた修行回が今日、終わる。 あぁ……楽しみだなぁ。来世はどんな人と出会えるだろう。VTuber……なれるといいな。 私はこの目標のために人生をかけてきたんだもん。この経験を、磨いた技術を、想いを忘れるわけにはいかない。 私の目標を応援してくれる人もたくさん……かは置いといていてくれた! だから私はこの意志を、記憶を来世に繋げて絶対に夢を…… 叶えるんだ!

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  • 憧れに手を伸ばせ   #1 邂逅

    [え〜っと……ここどこ?] 私はあの時確かに死んだはずだ。仮に生きていたとしても私がいるはずなのは病院の病室であって、こんな生活感丸出しの知らない誰かの寝室なんかじゃない。[ッ!?] 突然現れた何者かの気配に振り返るとそこにいたのは中性的な容姿の神だった。私の魂がこの方こそが神であると、逆らってはいけない存在だと叫んでいた。平伏すべき相手だと魂から感じる割に圧迫感がない。私にはチグハグな存在に思えた。まるで意図的に存在の格を落としているかのように……。   『初めまして、石塚有里。僕の名前はアサナシア。以後よろしく。』[アサナ……シア様?] 聞いたことあるようなないような?うーん……。『おいおいおい、そりゃないよぉ!マジで名前も知らないの?うわぁショックだわぁ……。僕もそこそこ知名度あると思ったんだけどなぁ。』[名前くらいなら……一応、はい。] たしか命を扱ってる神様たちの一人だったような……。神話って解釈わかれるし名前違うだけで同じ神様だとか違う神様だとか結構ややこしいから全容把握は無理だよ。   『え?マジマジ?でもやっぱりどういう神かはみんな知らないのか〜。サーナトス君とかならもっと「え!?あの冥界神様!?」みたいな反応になるんだろうな。あぁ〜悔しい!サーナトス君ずるい!冥界神ってなにさ!かっこよすぎんだろ!しかもあいつ僕と存在混同して知名度かっさらってくしさぁ!もうまじでなんなの!あぁ~むしゃくしゃしてきた!仕事丸々押し付けてやろうかな。』 アサナシア様は可哀そうだけど、ぶっちゃけ冥界神のサーナトス様はバリバリ知られてて漫画とかにも登場しててめっちゃ人気。アサナシア様、どんまい。   [そ、それにしても神様ってほんとにいるんですねー。]『そりゃそうだよ!あったりまえでしょ?無から有を生み出すのは神の御業だからね。』 空気が……変わった!?さっきまでのチグハグさがない。あぁこれが、神……。『そしてそれに例外は存在しない。今に伝わる神話こそが神の実在の証明なんだ。もちろん現在に伝わる神話が全部が全部史実通りという訳ではないがね。物語において誇張、脚色は当たり前に行われているだろ?別にそれはいいんだ。事実の羅列じゃつまらない。つまらなければ、人々が熱狂しなければ……それは後世に残らない。物語は後世に残ってこそだから

    최신 업데이트 : 2025-03-15
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     はぁ……死ぬかと思ったわ。そういや私もう死んd(ry え?天丼はつまんないって?うるさいなぁ。ていうかお前は誰なんだよ。[さっきまで身体透けるどころか消えかかってたので聞く余裕がなかったんです。なので正直内容が一ミリ頭にも入ってないです。]『ならもうちょっと早く言ってよぉ。聞けてなかったなら、もう一回この話をしてあげようか?』 アサナシア様もお忙しいでしょうし、そのお話はまたの機会にお願いします。「興味ないです。」 あ、うっかりうっかり!建前と本音が逆になっちゃったよ(棒)。てへぺろっ!なんだよイタイってさぁ!死んでんだからこの際年齢とかはいいだろ!てかマジで誰なんだよ!『いやだからこれは世界の根幹に関わる内容で……』 はぁ……。[質問への回答を要求します。] 神様なんだからさぁ。『学者たちが追い求めている世界の真理で……』 これくらい察してよ。   [質問への回答を要求します。]   『あ、はい……話します。』[アサナシア様、ありがとうございます。]『君もう既に死んでいる。ここまではもうすでに理解しているね?』[えぇ、まぁこんだけ身体透けてりゃ自分は霊体になっちゃったんだなぁ〜って気付きますよ。声もまともに出ないですし、アサナシア様の声は無駄に頭に響きますし。幽霊ってこんな感じなんですね。そんなくだらない私の感想はさておき、ここは死後の世界という認識でいいのでしょうか。]『その認識でだいたい合ってるよ。より正確に言うなら天界。君ら人間が言うところのあの世。そしてここはその最奥。とは言ってもここは僕の私室だし、そう肩肘張る必要はないよ。適当なところに座っちゃって〜。』[チャラ……。] チャラいのもそうなんだけど妙に人間臭い。そもそもいまこうして同じ目線で話せているのもおかしい。IQが20違うと会話が成立しないという俗説もあるくらいだ。 「え、嘘だよね?」    私は人より幅広い知識を持っている自信があるし、実際そうだろう。無駄に長く生きてないからね。だがそれも所詮は人間の尺度での話だ。神であるアサナシア様は他の人間より多少優れた程度の私の存在など歯牙にもかけないはずなんだよ。   『何も言わないってことは。そっか僕ってそんな軽薄そうなのか。まじかぁ……こう、精神的に来るものがあるね。いやまじかぁ。』 だから

    최신 업데이트 : 2025-03-15
  • 憧れに手を伸ばせ   #3 輪廻

    [そういえば貴方様は何の神様なのでしょうか。]『す~ごい今更だね君!そういうの聞くタイミングもっとあったでしょ!“邂逅"の時とかさぁ。ま、まあ別にいいんだけどさぁ……。僕が何の神様かだっけ?』[さっきまでは自室に今会ったばかりの女性を連れ込むチャラ神だったのであまり貴方様に興味がなく……。]   『ぶっちゃけ過ぎじゃないかなぁ君!そして否定出来ないのがつらすぎる。気を取り直して自己紹介をしようじゃないか。【我は輪廻神アサナシア。我こそが滅びすべてを掌握せし不滅の王にして、生命の核たる魂魄を導く者。定命の者たちを悠久の昔より見守り、その終焉を見届ける者でもある。】どうだい?僕のこと見直したかい?滅王だよ滅王!かっこいいでしょ?』[ぶっちゃけ最後ので台無しですね。途中まで威厳たっぷりで神々しかったんですけど。]『正式に名乗るに当たってこの肉体端末の格をちょっぴり上げたからね。さすがにあれを常時となるといろいろ影響出てきちゃうからすぐに戻したんだけど……。(友理ちゃんの魂ちょっぴり変異しちゃったかもしれないなぁ。でもまぁ彼女の転生は元々イレギュラー尽くしだし影響はさほど大きくはないはず。)うん、大丈夫そうだね。』[それで魂の管理とかいう仕事を大量に抱えてて休みなんてとれなさそうなアサナシア様が私みたいな一般人に何の御用で?]『君は本来の手順で転生できないっぽいんだよね。』[それはまた何故?]『本来なら前世の魂の記憶を消してから転生先をランダムに決めて転生させるんだけど、君の魂に意思やら記憶やらがべったりこびりついてて全然落ちないんだよね……。』[人の魂をカレーうどんのスープを跳ねさせちゃった白シャツみたいに言わないでくださいよ。] 例えツッコミが長ったらしい?だからお前は誰なんだよ!名前を言え名前を!   『言い得て妙だね。まさに魂の漂白作業なんだよ。落とせないこともないけど、転生はさせなきゃだから無理に汚れ落として魂が痛んじゃったら本末転倒なわけ。今慎重にやってるんよ、だからちょっと待ち中。まぁたぶん無理だし例外的に記憶持ちでの転生になるよ。』 こいつ遂に人の記憶を汚れっつったぞ。[前世の記憶を持って転生出来たから今世ではつよつよVTuberを目指す!ってことですね!]『よく分かんないけどたぶんそんな感じ。君実は前世もそうなん

    최신 업데이트 : 2025-03-15

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    [そういえば貴方様は何の神様なのでしょうか。]『す~ごい今更だね君!そういうの聞くタイミングもっとあったでしょ!“邂逅"の時とかさぁ。ま、まあ別にいいんだけどさぁ……。僕が何の神様かだっけ?』[さっきまでは自室に今会ったばかりの女性を連れ込むチャラ神だったのであまり貴方様に興味がなく……。]   『ぶっちゃけ過ぎじゃないかなぁ君!そして否定出来ないのがつらすぎる。気を取り直して自己紹介をしようじゃないか。【我は輪廻神アサナシア。我こそが滅びすべてを掌握せし不滅の王にして、生命の核たる魂魄を導く者。定命の者たちを悠久の昔より見守り、その終焉を見届ける者でもある。】どうだい?僕のこと見直したかい?滅王だよ滅王!かっこいいでしょ?』[ぶっちゃけ最後ので台無しですね。途中まで威厳たっぷりで神々しかったんですけど。]『正式に名乗るに当たってこの肉体端末の格をちょっぴり上げたからね。さすがにあれを常時となるといろいろ影響出てきちゃうからすぐに戻したんだけど……。(友理ちゃんの魂ちょっぴり変異しちゃったかもしれないなぁ。でもまぁ彼女の転生は元々イレギュラー尽くしだし影響はさほど大きくはないはず。)うん、大丈夫そうだね。』[それで魂の管理とかいう仕事を大量に抱えてて休みなんてとれなさそうなアサナシア様が私みたいな一般人に何の御用で?]『君は本来の手順で転生できないっぽいんだよね。』[それはまた何故?]『本来なら前世の魂の記憶を消してから転生先をランダムに決めて転生させるんだけど、君の魂に意思やら記憶やらがべったりこびりついてて全然落ちないんだよね……。』[人の魂をカレーうどんのスープを跳ねさせちゃった白シャツみたいに言わないでくださいよ。] 例えツッコミが長ったらしい?だからお前は誰なんだよ!名前を言え名前を!   『言い得て妙だね。まさに魂の漂白作業なんだよ。落とせないこともないけど、転生はさせなきゃだから無理に汚れ落として魂が痛んじゃったら本末転倒なわけ。今慎重にやってるんよ、だからちょっと待ち中。まぁたぶん無理だし例外的に記憶持ちでの転生になるよ。』 こいつ遂に人の記憶を汚れっつったぞ。[前世の記憶を持って転生出来たから今世ではつよつよVTuberを目指す!ってことですね!]『よく分かんないけどたぶんそんな感じ。君実は前世もそうなん

  • 憧れに手を伸ばせ   #2 チャラい神

     はぁ……死ぬかと思ったわ。そういや私もう死んd(ry え?天丼はつまんないって?うるさいなぁ。ていうかお前は誰なんだよ。[さっきまで身体透けるどころか消えかかってたので聞く余裕がなかったんです。なので正直内容が一ミリ頭にも入ってないです。]『ならもうちょっと早く言ってよぉ。聞けてなかったなら、もう一回この話をしてあげようか?』 アサナシア様もお忙しいでしょうし、そのお話はまたの機会にお願いします。「興味ないです。」 あ、うっかりうっかり!建前と本音が逆になっちゃったよ(棒)。てへぺろっ!なんだよイタイってさぁ!死んでんだからこの際年齢とかはいいだろ!てかマジで誰なんだよ!『いやだからこれは世界の根幹に関わる内容で……』 はぁ……。[質問への回答を要求します。] 神様なんだからさぁ。『学者たちが追い求めている世界の真理で……』 これくらい察してよ。   [質問への回答を要求します。]   『あ、はい……話します。』[アサナシア様、ありがとうございます。]『君もう既に死んでいる。ここまではもうすでに理解しているね?』[えぇ、まぁこんだけ身体透けてりゃ自分は霊体になっちゃったんだなぁ〜って気付きますよ。声もまともに出ないですし、アサナシア様の声は無駄に頭に響きますし。幽霊ってこんな感じなんですね。そんなくだらない私の感想はさておき、ここは死後の世界という認識でいいのでしょうか。]『その認識でだいたい合ってるよ。より正確に言うなら天界。君ら人間が言うところのあの世。そしてここはその最奥。とは言ってもここは僕の私室だし、そう肩肘張る必要はないよ。適当なところに座っちゃって〜。』[チャラ……。] チャラいのもそうなんだけど妙に人間臭い。そもそもいまこうして同じ目線で話せているのもおかしい。IQが20違うと会話が成立しないという俗説もあるくらいだ。 「え、嘘だよね?」    私は人より幅広い知識を持っている自信があるし、実際そうだろう。無駄に長く生きてないからね。だがそれも所詮は人間の尺度での話だ。神であるアサナシア様は他の人間より多少優れた程度の私の存在など歯牙にもかけないはずなんだよ。   『何も言わないってことは。そっか僕ってそんな軽薄そうなのか。まじかぁ……こう、精神的に来るものがあるね。いやまじかぁ。』 だから

  • 憧れに手を伸ばせ   #1 邂逅

    [え〜っと……ここどこ?] 私はあの時確かに死んだはずだ。仮に生きていたとしても私がいるはずなのは病院の病室であって、こんな生活感丸出しの知らない誰かの寝室なんかじゃない。[ッ!?] 突然現れた何者かの気配に振り返るとそこにいたのは中性的な容姿の神だった。私の魂がこの方こそが神であると、逆らってはいけない存在だと叫んでいた。平伏すべき相手だと魂から感じる割に圧迫感がない。私にはチグハグな存在に思えた。まるで意図的に存在の格を落としているかのように……。   『初めまして、石塚有里。僕の名前はアサナシア。以後よろしく。』[アサナ……シア様?] 聞いたことあるようなないような?うーん……。『おいおいおい、そりゃないよぉ!マジで名前も知らないの?うわぁショックだわぁ……。僕もそこそこ知名度あると思ったんだけどなぁ。』[名前くらいなら……一応、はい。] たしか命を扱ってる神様たちの一人だったような……。神話って解釈わかれるし名前違うだけで同じ神様だとか違う神様だとか結構ややこしいから全容把握は無理だよ。   『え?マジマジ?でもやっぱりどういう神かはみんな知らないのか〜。サーナトス君とかならもっと「え!?あの冥界神様!?」みたいな反応になるんだろうな。あぁ〜悔しい!サーナトス君ずるい!冥界神ってなにさ!かっこよすぎんだろ!しかもあいつ僕と存在混同して知名度かっさらってくしさぁ!もうまじでなんなの!あぁ~むしゃくしゃしてきた!仕事丸々押し付けてやろうかな。』 アサナシア様は可哀そうだけど、ぶっちゃけ冥界神のサーナトス様はバリバリ知られてて漫画とかにも登場しててめっちゃ人気。アサナシア様、どんまい。   [そ、それにしても神様ってほんとにいるんですねー。]『そりゃそうだよ!あったりまえでしょ?無から有を生み出すのは神の御業だからね。』 空気が……変わった!?さっきまでのチグハグさがない。あぁこれが、神……。『そしてそれに例外は存在しない。今に伝わる神話こそが神の実在の証明なんだ。もちろん現在に伝わる神話が全部が全部史実通りという訳ではないがね。物語において誇張、脚色は当たり前に行われているだろ?別にそれはいいんだ。事実の羅列じゃつまらない。つまらなければ、人々が熱狂しなければ……それは後世に残らない。物語は後世に残ってこそだから

  • 憧れに手を伸ばせ   #0 原点

     当時はまだ幼稚園児だった私は、街頭ビジョンの中の彼らの輝きに心を奪われてしまった。恋焦がれてしまった。 ある者は圧倒的な歌唱力で他者の心を揺さぶった。ある者は七色の声を駆使してありとあらゆる魅力的なキャラを演じた。ある者は自らVTuberとしての身体を作成し数多くのVTuberの生みの親にもなった。 彼らはある種の劇物だった。まだ純粋で未熟な一人の少女の行く末を容易く狂わせてしまうほどの。彼女は天に手を伸ばし、止まることなく歩み続けた。 だが、過ぎたる望みはその身を亡ぼす。それでもかつて憧れ、好いた彼らが熱中するものを少しでも知るために彼女は進む。 好きな人の好きなものを知りたい。自分もそれを好きでいたい。そんな乙女心が彼女の原点なのかもしれない……。──────────────────────────────  私はいつかVTuberになることを夢見て、自らの人生の全てを推したちがしていた数多くのことを極めるためにプライベートを費やしてきた。楽器に作詞作曲、小説、ダンス、歌。数え切れないほど多くのことに挑戦し続けた。推し全員の真似をしたいっていうのはちょっと欲張りだったかなぁ……。いや、ファンたるものそのくらいの気概がないといけないよね! そんな自分の人生に後悔はない……と言ったら嘘になる。私はこれまでいろんなものを犠牲にしてきたから。好きな人と出会い、交際し結婚して子供を産み、夫婦で力を合わせて育て上げる。そんな人並みの幸せというものにも触れてこなかった。そんな幸せの中にはこの憧れを超える何かとの出会いはないにしても人として成長する機会があったかもしれない。表現の糧になったかもしれない。 でも、ここまで来れば後戻りは出来ない。そもそも死ぬ間際にこんなこと考えたってしょうがない。あとは来世までこの記憶を持ち越すのみ!魂に思いを刻め!この人生を無駄にしてなるものか。 文字通り人生を懸けた修行回が今日、終わる。 あぁ……楽しみだなぁ。来世はどんな人と出会えるだろう。VTuber……なれるといいな。 私はこの目標のために人生をかけてきたんだもん。この経験を、磨いた技術を、想いを忘れるわけにはいかない。 私の目標を応援してくれる人もたくさん……かは置いといていてくれた! だから私はこの意志を、記憶を来世に繋げて絶対に夢を…… 叶えるんだ!

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